飯田市の老舗和菓子屋「和泉庄」と川本喜八郎の約束2015.08.01


川本喜八郎が鬼籍に入ってから5年目の今年2月、飯田市の老舗和菓子屋「和泉庄」のご主人が、かねてよりお聞かせいただいていた和泉庄さんと川本との約束を実現させたいと、代々木にある川本アトリエを訪問されました。

その約束とは

2007年(平成19年)3月に「飯田市川本喜八郎人形美術館」がオープンして以来、川本は「和泉庄」の和菓子(金つば・最中・落雁など)をとても気に入り、飯田に行った時は必ず立ち寄っていました。そこで、「和泉庄」のご主人が川本への感謝と恩返しの気持ちから、川本に「美術館に見学に来られる皆様に菓子の街飯田に因んだお土産を作りたい」と申し出、相談されたのです。川本は「僕は人形が食べられるのはかわいそうだから・・・」とペンをとり、「お菓子は『孔明の羽扇』でどうですか。」とラフと銘を描いたのです。ご主人が実現に向けて動き出そうとした時に、川本は病に倒れ帰らぬ人となり、この話も頓挫してしまいました。

けれど、ご主人はその時の川本の笑顔と約束を忘れずに、川本生誕90周年であり没後5年目の今年の夏に、「三国志」という銘で落雁を作製して川本との約束を果たしたいと言ってこられたのです。

川本プロダクションでは、「孔明の羽扇」の形、入れ物(箱)、お菓子の仕様の監修を引き受け「和泉庄」のご主人と川本の約束を実現するべく協力してまいりました。その約束のお菓子が素晴らしい品格のある「落雁」となって出来上がってきましたので、皆様にお知らせいたします。今夏、飯田に足を運び、美術館で壮大な「三国志」の世界を堪能し、約束の「孔明の羽扇」を手にとってみてはいかがでしょうか。

※この「三国志」落雁は、「和泉庄」・「飯田市川本喜八郎人形美術館」で今夏、販売を開始いたします。

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